広島高等裁判所 昭和24年(新)251号 判決 1949年11月12日
被告人
佐口太郞
外二名
主文
本件控訴はいづれも之を棄却する。
理由
第一点原判決が被告人等の所爲につき單に刑法第二百三十六條を擬律したのみで其の第一項を適用することを明らかにしなかつたことは原判決の記載により明瞭である。然し乍ら刑法第二百三十六條第一項と第二項とは同一罪質たる同一犯罪を規定したものであるから強盜罪を断ずるに当つては刑法二百三十六條を適用した以上其の第一項と第二項との区別を示さなくても違法ということは出來ない。論旨は理由がない。
控訴趣意書
右三名に対する強盜被告事件に付控訴の理由を左に開示致します。
第一点原判決は被告人三名は現金及衣類等を強取したものであると認定しているから刑法第二百三十六條第一項を適用すべきに拘らず漫然刑法第二百三十六條を適用しその第一項第二項の区別を明かにしていない從つて原判決は此の点に於て判決に理由を附せず又は理由にくいちがいがあると言わねばならない。